ヴェイヒル好きに10のお題


1.似たもの同士

 「残りのピーチパイ食べていいわよ。」

 「いや、お前が食べればいい。」

 「あんた、ピーチパイ好きでしょ。」

 「お前こそ。」

 「ポプラおばさんのピーチパイは美味しいわよね。」

 「ああ。だから、お前が食べればいい。」

 「あんたが食べなさいよ。」

 「「・・・・・・・・」」

 「はぁーい♪2人とも、新しいパイが焼けたわよー♪」

 「早く食べろ、ヒルダ。」

 「ヴェイグが冷えたパイを食べなさいよ。」


 2人とも、できたてほやほやのパイを食べたがっているようです。


2.重なる部分

 「なに?」

 「いや、別に。」

 「だったら、何で私を見つめてたのよ。」

 「別になんでもない。」

 「そんなわけないでしょ。何を見てたのよ。」

 「髪。」

 「は?」

 「クレアと同じくらいの長さかと見比べ・・・」

 「もういいわ。」


ヒルダは呆れてどこかへと行ってしまいました。


3.居場所

 「ヒルダ。」

 「あんたのいるべき場所は、私の隣よ。」

 「・・・そうか。」

 「そうよ。だから勝手に動き回らないで。」

 「・・・ありがとう。」


とても愛おしそうにヴェイグはヒルダを抱きしめた。


4.大切なもの

 「・・・ない。」

 「何か大切な物でも失くした?一緒に探しましょうか?」

 「俺が探すから、心配しなくていい。」

 「そう?」

 「(まさか結婚指輪を失くしたなんて、言えない)」


指輪はヒルダが見つけてしまいました。


5.恐怖心

 「ヴェイグ、いい加減に放してよ。」

 「・・・」

 「ずっと抱きしめてなくても逃げないから。」

 「・・・」

 「(まぁ、いいか)」


お互いに相手の温もりを失いたくないようです。


6.秘めた想い

 「たまにはお前が言ったらどうだ。」

 「あ、あんただって、滅多に言わないじゃない。」

 「分かりきったことだ。」

 「分からないわよ、そんな無表情だと。」

 「分からないな、そんなに捻くれてると。」

 「「・・・愛してる。」」


たまには素直に気持ちを伝える。


7.感情を押し殺す

 (これは絶対に恋じゃない)

 「ヒルダ?」

 (この人を好きになっても、またふられるのがおちじゃない)

 「ヒルダ。大丈夫か?」

 「ええ、平気よ。早く行きましょう。」


今日も自分の本当の気持ちをごまかして一日を過ごす。


8.さりげない優しさ

 (ピーチパイ・・・食べたい)

 「はい、ヴェイグ。」

 「・・・ピーチ?」

 「パイは作れないけど、果物で気分を味わってちょうだい。」

 「ありがとう。」

 (そりゃ、よだれ垂らしながらボケーとしてたら何が欲しいか分かるわよ)


クレアよりも早く気づけるのは彼女だけ。


9.料理

 「どうやったら、黒焦げになるんだ?」

 「不思議ね。ちょっと目を離しただけなのに。」

 「5分弱火で焼いて、なんで魚が焦げるんだ。」

 「今度はスープでも試してみる?」


料理を作り始めて、かれこれ3時間がたっていた。


10.VS

 「私とミルハウストはラブラブですのよ。」

 (無反応)

 「もうあんなことや、こんなことまでやりまして。」

 (無反応)

 「そりゃあ、世間が羨むような仲に・・・」

 (無反応)

 「・・・何を言っても、このカップルには負けるのですね。」


アガーテがしゃべる間、2人は自分たちの世界に入っていました。





 ―あとがき―
1.相手のことを思っていながらも、本当は自己中心的な2人。
2.絶対に他にもヴェイグは見比べていると思います。
3.言わなくとも分かる関係・・・それがヴェイヒルの良さかと。
4.今回は「もの」を「物」として使わせていただきました。
5.意外と短く書くのは難しかったです。
6.たまにはポジティブ思考で。笑
7.押し殺して・・・るんですかね?(聞くなよ自分で!)
  短いと暗めにしにくいです。
8.「さりげない」か、これ?(だから聞くなって)
9.私が実際に体験した出来事。な〜ぜ〜?
10.アガーテが出したかっただけだったり。

<2005.08.19>

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