sunshine
「また雨ね。」
窓から外を眺めて、ヒルダは呟いた。
俺は壁に背をもたれかけたまま、そうか、と呟く。
足を伸ばして座っている俺の体を支えにヒルダが座り込む。
そして、慣れた手つきで占いをし始めた。
俺が腰に手を回しても、気にせずカードを並べていく。
またか。
昨日も雨で、その時も一日タロット占いをやっていた。
せっかく一緒にいるというのに、全く相手にされない。
今日で何回目になるだろうか、最後のカードをめくる手を止めてみた。
「太陽だ。」
ヒルダは戸惑いもなくカードをめくる。
『太陽』だ。
「よく分かったわね。」
「昨日からずっと同じ結果だ。」
「・・・よく見てたのね。」
微かに震える肩に頭を置いて、聞いてみる。
「何を占っているんだ?」
「私達の将来。」
「何度もか?」
「何度もよ。」
「どうなんだ?」
「悪くは無かったわ。」
あっけない返事を返すと、再びカードをきりはじめた。
いい加減、相手にしてほしいと願うのは我侭だろうか。
ずっと、俺の傍にいて欲しいと願うが・・・
今の俺もみてほしい。
間の抜けたヒルダの顔が俺を見てくる。
「今言ったこと、信じてもいいのかしら?」
何時の間にか口にしていたのか。
なんだか恥かしくなってくる。
口元に手をかぶせていると、ヒルダは『太陽』のカードを手にしながら言った。
「今まで良い関係だった人からのプロポーズが期待できる、ですって。」
微笑みながら俺に口付けをする。
ふと、窓から外を見てみると、雨はすっかりやんでいた。
―あとがき―
タロット占い、分かりません。
ごめんなさい、正確な意味として取れないかもです。
そしてまたプロポーズ話になってしまいました。
あれ?ほんのり甘めでいくつもりだったのに・・・何時の間に?
<2005.06.16.>
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