白雪姫
脚本・演出 マオ
出演 アガーテ ミルハウスト
ジルバ 四聖
ヴェイグ達 クレア
やほー!皆、観に来る芝居、間違えてないよね?
ナレーターをつとめる、マオだよ。
僕、脚本もしたんだヨ!すごいでしょ?
実は僕、白雪姫のお話よく知らないんだよね。
だから、ティトレイに教えてもらったのを思い出しながら書いたんだ。
ちょこっと話が違ってても、見逃してやってネ!
ではでは、白雪姫のはじまり〜♪はじまり〜♪
―お城:白雪姫の部屋―
「あぁ、ミルハウスト・・・貴方に会いたい・・・」
「白雪姫?白雪姫!」
「はっ、その声はジルバ・・・じゃなくて、お母様!
大変、早くミルハウストのファングッズを隠さなくては!」
「白雪姫。今から、森へ行ってくれませんか?」
「何故私がわざわざ行かなくてはなりませんの?」
「(陛下、劇ですよ、劇!素直に行って下さい!)」
「あぁ、そうでしたね。では、行って参ります。」
こうして白雪姫は義理の母親に頼まれて、森へ行きました。
―森の前―
白雪姫はここで狩人と出会いました。
彼が彼女の命を奪うよう母親に頼まれていることを白雪姫は知りません。
「『おや、これはこれは美しい人。どうしてこのような場所に。』」
「トーマ。見事な棒読みですね。」
「くっ。芝居なんて、俺にできるか!とりあえず、殺せばいいんだろう!」
「きゃっ。」
狩人は人が変わったかのように白雪姫に斬りかかろうとします。
しっかーし!
なんと、彼の剣を止める男が現れました!
「む!貴様は!?」
「名乗る程の者ではない。」
「(こ、この声はミルハウスト!あぁ、私を守ってくださるのですね!?)」
突如に現れた、全身鎧の金髪男にすっかり惚れてしまった白雪姫。
顔は兜を被っていて見えないけど、そこがまた『萌え』なんだそうです。
「陛下!ここは私に任せて!貴女は逃げてください!」
鎧の男に言われた白雪姫はすぐさま森の中へと逃げていきました。
(もう!ミルハウスト、『陛下』じゃなくて、『白雪姫』だって注意したのに!)
しかし、ただでさえゴージャスな服を着ているうえに、
ほとんど運動をしない白雪姫はすぐにへたばってしまいます。
「どこかに休める場所はないのかしら。」
ちょうどそう思った時、都合よく民家を発見しました。
白雪姫は戸惑いもなく、むしろ自分の家だと言わんばかりに家に入っていきました。
「ベッドが硬いわ。寝にくい。」
文句を言いつつも、疲れてしまった白雪姫は眠ってしまいました。
そこに、この家の本来の持ち主である7人の小人が帰ってきました。
美しい女性が自分たちのベッドで寝ているのを見て、
それぞれが口を開いていきます。
「おわ!?誰だぁ、こいつ?」
「ティ、ティトレイさん、大声出したら起きちゃいますよ!」
「アニ―も声をおさえて。可哀想じゃない、うるさくしたら。」
「クレア・・・。」
「うむ。クレアさんは心が広い人だ。陛下とも仲良くなれるだろう。」
「ちょっと、ユージーン。今は劇やってるのよ。『陛下』じゃ駄目でしょ。」
「そんな事よりヒルダ・・・この耳飾、美味しそうに見えないか?」
「ミリッツァ・・・分かったわよ、ティトレイ早くご飯作ってくれない?」
「お、おぅ。こいつは、どうするんだよ?」
「そのうち起きるだろう。」
しかし、よっぽど疲れていたのか、白雪姫が目覚めたのは次の日でした。
おかげで、男の小人達は毛布も無く、床で眠ることとなりました。
―お城:母親(ジルバ)の部屋―
すっかり白雪姫は狩人のトーマが始末したと思った母親は喜んでいました。
「鏡よ、鏡。鏡さん。これで白雪姫はいなくなったわ。
世界で一番力を・・・じゃなくて、美しいのは誰?」
「そりゃ、もちろん、僕さ。」
「・・・サレ?」
「いくらジルバ様のお願いでも、これだけは譲れないね。
実際、あなたよりも僕の方が美しいと思わないかい?」
前髪をかきあげながら、自信たっぷりで言う鏡に母親は怒り、
思いっきり鏡を床へと叩きつけた後、踏みにじりました。
「なんということ、白雪姫がまだ生きているだなんて!
なんとしてでも、消えてもらわなくては。」
(ありがとー、ジルバ。僕の台本を忠実に守ってくれて。意外といい人だったんだね!)
母親は白雪姫を今度こそオサラバする為に、毒りんごを作りました。
そして自らを魔法のステッキを使って、老婆へと変身☆
「これで、陛・・・白雪姫の命は終わりだ。」
(あーん、もう!なんで、ワルトゥまで間違えるかな!?)
こうして、老婆(老爺の方が良いかな?)は白雪姫のいる森へと向かいました。
―森の中―
小人の家にお世話になってる白雪姫は、皆の為に今日も家事をやってみます。
「???これは・・・なんでしょう?まぁ、入れてみれば良いでしょう。」
料理を全くやったことのない白雪姫は、森の中で材料を集めていました。
その中にはバクショウダケを含む、たくさんの毒キノコや毒草があります。
ある程度材料を集めると、家に戻り、早速鍋の中へと入れていく所に
老婆が毒リンゴを持って、やってきました。
「(な、なんだ?この匂いは・・・)そこのお嬢さん。リンゴはいかがかな?」
「あら、お婆さん。そうね、リンゴを入れてみるのも良いかもしれません。
この中へ入れてちょうだい。」
「(切らずにそのまま!?)い、いや、その前に味を確かめた方が良いかと・・・」
「そうね。これ以上入れて、不味くなっては嫌でしょう。
では、この料理を試食してくれますか?」
「そ、そういうわけではなく!そ、そうだ。リンゴはそのままの方が美味しいですから、
是非一口食べてみてください。」
「そこまで言うのならば・・・。」
老婆の思惑通り、リンゴを食べた白雪姫は倒れてしまいました。
(てか、本当に料理の匂いがやばいんですけど)
思い通りに事が動いたのを喜びながら、
老婆は再び魔法のステッキで元の姿に戻って帰っていきましたとさ☆
だけど、帰り道に鏡の精が『よくも僕を踏みにじったな!』と言いながら崖から落としました。
その後、母親も鏡の精も、誰も見かけてはいないようです。
しばらくすると、仕事から帰ってきた小人が白雪姫が倒れているのを発見しました。
「陛・・・白雪姫!なんということだ、一体誰に・・・」
「ジルバだろ?実際にやったのは、ワルトゥてことになるか。」
「ティトレイ。役名を使え。」
「まぁ、白雪姫、可哀想に。」
「そんなことより、変な匂いがする。分かるか、ヒルダ?」
「えぇ。これは・・・あの鍋から来てるみたいね。」
「・・・酷いですね。汁が濁ってますよ?真っ黒ですよ。下手したら死にますね。」
白雪姫が死んでしまったというのに、実際に心配しているのは2人の小人だけです。
3人の小人は、この世の物ではない料理を食べずに済んだ事を喜びました。
そこへそこへ!
再び金髪鎧男が、この森を訪ねてきました。
「陛下、無事でいてください・・・」
「お、隣の国の王子じゃねぇか。なんだ?こいつに用か?」
「・・・陛下!?」
「陛下はもう・・・亡くなられた。」
「そ、そんな・・・陛下!陛下!!」
(だから、『陛下』を使うなって、言ったのに!!)
兜を被ったまま、目を瞑っている白雪姫の体を抱いて、鎧王子は嘆きます。
「お、いよいよだな♪」
「?ティトレイ、何が楽しみなんだ?」
「ヴェイグちゃんには、分からないだろーな。」
「・・・・・・・」
「あ、ヴェイグさん。ティトレイさんは、多分これからの事が楽しみじゃないかと。」
「この後、何かあったか?」
「えぇと・・・確か、『愛がいっぱいたまったキス』だったわね。」
「それより、この鍋の中身はどうする?そこらに捨てたら草が腐りそうだ。」
小人達はもはや白雪姫のことよりも、鍋の中身が心配になってきました。
そんな小人達を見て、鎧男は怒鳴りました。
「貴様ら、陛下の御前でよく失礼な事が言えるな。」
「なら、お前が食べるといい、ミルハウスト。」
ずい、と目の前に持ってこられた鍋の中身を見た途端、彼は断りたくなりました。
しかし、白雪姫が薄目で見つめているので、できません。
「この体は陛下の為にある・・・行くぞ!」
覚悟を決めた男は兜を取り、勢い良く料理を口にしました。
「ぐっ・・・へ、陛下・・・」
「ミルハウスト!?」
小人が慌てて傍によりますが、鎧の男はもう息が絶えていました。
こうして、鎧の男も天に召されたことにより、
小人達は、『きっと天国で仲良くやっているに違いない』と思いながら埋葬しましたとさ☆
―あとがき―
なんか訳の分からないお話になってしまいました。
アガーテが書きたかったんです。
ミルハウストをちらっと書きたかったんです。
サレ様も書きたかったのです。
<2005.05.12>
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