「ヴェイグ。」


そんな色気のある声で誘わないで欲しい。
ただでさえ、その格好だけで辛いのだ。







ぶかぶかのシャツ








白いシャツから微かに透けて見える肌。
その下から白い太腿が現れていて。
彼女の柔らかそうな唇に妖しく光る黒い瞳。
上目遣いで俺を呼ぶ。


 「ヴェイグ。」


何時の間に用意していたのか。
風呂からあがると、寝室にはすでにヒルダが俺を待ち受けていた。


 「いい加減、俺をからかうのをやめてくれないか。」


ヒルダは嘆く俺を楽しそうに笑いながら見つめる。


 「あんた、まだ慣れないのね。」

 「そういうわけじゃ・・・」

 「顔、真っ赤よ。」

 「・・・・・・」


慣れるとか慣れないとか、そういう問題ではない気がする。


 「それにしても不思議だわ。水着姿なら、平気なのに。」


それは、また違った色気があるからという事を彼女は、どうやら分からないようだ。



あからさまにため息をつく俺が気に食わなかったのか、ヒルダは満足がいくまで俺をからかい続けた。








 ―あとがき―
ちょっぴり初々しい?ヴェイグで。
・・・て、これも短いですね。やばいな、最近短いのしか書いてない!
<2005.07.27>

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