「今度はどうしたっていうのよ。」


呆れながらも、ヒルダは聞いてみる。
だが、返事は全くない。


なんだか、子供がクマのぬいぐるみを抱いてるみたいね


今の状況をそう思いながらも、自分は抱き枕かとツッコミを入れるのも忘れなかった。







キスが足りない








ヒルダにとってヴェイグにされると一番辛いが、嬉しいこと。
それは、抱きつかれること。


彼にとっても彼女にとっても、お互い甘えられるという意味では喜ばしいのだ。
しかし、一日抱かれるのは、正直言って疲れる。
会話さえあれば幸せな時間を過ごせるだけなのに、彼は一切口を開かないからだ。



普段なら、ヒルダは諦めてヴェイグのしたいようにさせてやる。
が、今日は彼にとっては運悪く、彼女の機嫌は良くない。
ヴェイグは頑張って甘えてみるが、効果は全く無い。


 「いい加減、離してくれない?」


そこまで嫌がられると、ヴェイグも苛立ってくる。
相変わらず冷たい態度で接するヒルダの口を自らの口でふせぐ。
荒い口付けに彼女は苦しそうにするが、一切考慮しない。
ヴェイグが満足する頃には、すでにヒルダは一人で立っていられない状態だった。


このまま、いつものようにベッドへと行くのね


熱烈なキスに気分をすっかり良くしたヒルダは思った。
案の定、ヴェイグはヒルダを抱きかかえて寝室へと入っていく。
そして、ベッドの上に彼女を降ろした。










しかし、ヴェイグは彼女を降ろすと部屋から出て行った。


 「ちょ、ちょっと!何なのよ、これは。」

 「・・・十分、補充できた。」


思わず耳を疑う。
何を補充したのかサッパリ分からない彼女にヴェイグは頬を染めながら呟いた。


 「           」


ヒルダも顔をタコのように赤くしたのをヴェイグは密かに微笑んだ。










 ―あとがき―
すっごーく短い!てか、あれ?
これ、バカップルなお話にするつもりだったのに。
いつの間にか路線がずれてる・・・若干微エロかもしれないですし。
最後はなんて言ったのでしょうね?色々と想像しちゃて下さい。
<2005.07.25>

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