「もしも、この世界が私たちだけになったら、どうなるのかしら?」
ぽつりと呟いたヒルダの言葉が、今日の話題となることを決定づけた。
世界でたった二人きり
「俺たちだけの世界か。静かになるだろうな。」
腕を組み、真剣に考え付いたヴェイグの答えがあまりにも普通でヒルダは微笑した。
「そうね。ヒューマだとかガジュマだとか五月蝿い人達がいなくなるわ。」
「それは・・・悲しいことだな。」
「悲しい?」
何が言いたいのかが理解できず、ヒルダは聞き返した。
「お互いの良いところを知らずにいなくなるのは、悲しいことだろ?」
ヴェイグはヒルダを優しく己の腕の中に収めた。
「私たちだけの世界になったら・・・確かに静かになるわね。」
誰を脳裏に浮かべたのか。
彼女は肩を小さく揺らした。
「あいつ等のことか?」
同じように口元を緩めて、ヴェイグは聞いた。
「一人いなくなるだけで、大分変わると思わない?」
「確かに。あれがいなくなるだけで、随分と静かになる。」
こんな話をしてたら、本人は今頃くしゃみでもしてそうね。
付け加えられたヒルダの言葉に二人は静かに笑いあった。
「あとの3人はまだ静かといえば静かかしら。」
「だが、いないに越したことは無い。何時も唐突に現れるからな。」
おかげでお前とゆっくり時間を過ごす事も出来ない。
それをヴェイグが口にした途端、玄関から誰かが声をかけてきた。
「・・・本気で二人だけの世界が欲しくなった気がする。」
「拗ねてないで、迎えるわよ。」
口を尖らせるヴェイグの頬に口付けると、ヒルダは彼の手を引いて玄関へと歩んでいった・・・
―あとがき―
いやはや、更新が月一回になりつつある!?危険!!かなり危険!
相変わらず話短いし・・・私、やはり長いのは書けないようです。(もう分かりきった事だろ)
「ヴェイヒル」はもう私の脳内では当たり前なカップリングですけどね♪
もっと広める為にもがんばって書くぞー!
2005.11.29
ブラウザバック、ぷり〜ず