「まぁ、ゆっくりしていってくれ。」


『お父さん』と『お母さん』に暖かい言葉で迎えられても緊張はするものである。





おとまり





 「勝手にくつろいでくれ。」


そうヴェイグは言ったものの、無理なことかもしれないと考え直した。


今日はヒルダと共にスールズへきた。
彼女がどうしても来たいと言ったからだ。


何をやっていたかというと、ヒルダは一日ポプラおばさんの家にひきこもって、パイの作り方を教わっていた。
だが、気づけば日が暮れる時間だったので、そのままスールズに泊まることとなったのだ。


 「ねぇ、本当によかったのかしら。」

 「なにがだ。」

 「あんたの家に泊まりにきて。迷惑じゃないかしら。」

 「平気だろう。でなければ、歓迎なんてしないはずだ。それに・・・」

 「それに?」

 「お前のことを家族の一員と思ってくれてるみたいだ。」


優しくヒルダの体を包み込むヴェイグの胸に、ヒルダは顔を隠す。


 「あんまり期待させないでよ。」

 「だが、俺も同じ気持ちだ。」


ヒルダが顔を見上げると、頻繁に見られるようになった笑みが現れた。


どちらからともなく口付けをする2人の雰囲気に、他の家族は見せ付けられた思いだったそうな。






(続きっぽいおまけ)

このまま押し倒したい、とヴェイグは心の中で呟く。
先ほどから、彼女の身にしみている匂いのせいでもあるのだろう。
愛するヒルダに、大好きなピーチパイの匂い。


 (ここはやはり、押し倒したい・・・だが、声が外に洩れたらどうするんだ)


自分の手は思考とは関係なく、求めるべく動きが始まっている。


 (クレア達にからかわれるのも嫌だ・・・第一、俺の部屋は一番上だから、誰でも下にいれば聞こえるじゃないか)




この後、彼がどうしたかは・・・また別の話。





 ―あとがき―
ネタがない時。やばいなぁ、エロに走る。
(書けないっつーのに)
2005.09.07

ぶらうざでお戻りくださいませ。