「どうするのよ、この始末。」
その言葉には怒りが込められていた。
閉じ込められた
「すまん。」
謝ってみたもののヒルダは機嫌が悪い。
当たり前といっては、当たり前だ。
ここは登山道。
ヴェイグとヒルダがバビログラードに向かう途中で事件は起こった。
ヒルダが落し物をし、転げるそれを拾おうと道のりから外れた時だった。
突然降りた鉄柵に驚いたヴェイグが、彼女を押し倒したのだ。
ところが、二人が行き着いたのは檻の中。
他に連れもいなければ、先程から道を通る人も居らず。
閉じ込められた二人はどうする事もできずに時が過ぎていた。
「今日に限って、人が通らないって可笑しいわよ。」
嘆くヒルダをヴェイグはどうすれば良いか悩んだ。
とりあえずバイラスは入ってこれないようで良かったじゃないか、と言おうかとした口を閉じた。
しかし、ヴェイグは改めて考え始めた。
人だけでなく、バイラスすら寄ってこないこの場所。
普段甘やかしてくれない分、今だったら甘えても良いかもしれない。
ヒルダの腕を引っ張ると、ヴェイグは抵抗するヒルダをお構いなしに口づけをした。
苦しそうに口から漏れる声は、洞窟内を反響する。
気分をよくしたヴェイグはこのまま続けようと手を彼女の足へと伸ばした。
「馬鹿者!!!」
しかしそれ以上の行為は、一人のガジュマによって遮られた。
「あら、ユージーン。ちょうど良かった。」
助けを待ってましたとばかりに、ヒルダはユージーンの元へ歩み寄った。
腕の中にあった温もりが無くなり残念に思えたヴェイグは地べたに座ったままだ。
「まったく、仮にも神聖な場所が目と鼻の先にあるような場所で、そのような・・・」
鉄柵を上げ、二人を解放しながらもユージーンの口は閉じない。
二人は目を合わせると、延々と説教をするユージーンの横を静かに通り抜け、無事バビログラードへと向かっていった。
その後すぐ、ヴェイグによって宿屋へ直行したのは言うまでも無い。
−あとがき−
お久しぶりな更新で申し訳ないです!
微エロだし・・・すごく短いし・・・
何かリクがあれば、書きやすいんだろうか。
2005.10.25
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