イケイケ☆リバース戦隊〜とにかくなんでもありなんだぜ!〜


チャララ〜ン♪

さ、さあ、行くぞ、リバース戦隊♪
今日も平和を守るため♪

たとえ、俺の存在が地味で暗いと言われようと♪
助けがいる時は、来てやるさ♪

「・・・もう恥ずかしいから、歌い終わっても良いか?」(台詞?)

さあ、行くぞ、リバース戦隊♪
今日も自分の平和を守る為♪

[今週のオープニングテーマソングbyヴェイグ]





第3話
「孤高な男!?新たなメンバー加入☆」





 「お、お前は一体誰なんだ!?」


漆黒の翼が聞いてくる。
そう言われても、こっちはこんな事に付き合わされるだけで十分に恥ずかしいんだが。
話が進まないと赤毛の子供に言われたから、仕方なく答えてやった。


 「リ、リバース戦隊のシルバーだ。」

 「僕たちの新しい仲間!?」

 「一体、誰なんだ、あいつ!」


ああ、だから出たくなかったんだ。
とりあえず、敵である三人に斬りかかって、あいつらのグローブを奪い返す。
黒い大男が仲間を救い出していた。


 「あとは、任せる。」


グローブを投げつけると、それぞれの手の元に戻る。
変身した5人によって、漆黒の翼はまた消えていった。


 「ちょっと待て!何で俺たちの説明がそこまで省かれる!」

 「面倒だからだ。」


俺のナレーションにケチをつけるなら、出てこなければいい。



もう用が済んだのだから、こんな恥ずかしい格好から解放されたい。
だから、すぐにその場を立ち去ろうとした。
それを緑色のやつに止められた。


 「おい、お前。一体、誰なんだよ。」

 「・・・シルバーだ。」

 「色の話をしてるんじゃねえって。」

 「ティトレイさん。あまり、無理に聞き出そうとしなくても良いじゃないですか。」

 「そうだヨ、シルバーって最初は正体が誰か分からない設定なんだからさ。」

 「それは・・・理由になるのか?」


金髪の疑問を無視して、子供は俺を逃してくれた。
助かったから、良しとするか。








 「お帰りなさい。どうだった?」


公園のベンチに座って待っていたヒルダが俺に声をかける。
あいつらを助けに行くよう、けしかけた張本人だ。


 「どうもこうも、あの格好は恥ずかしいだろ。」

 「やっぱり?全身一色のボディスーツじゃあね。良かった、私は隊員じゃなくて。」


他人事だと思って、呑気に笑っている。
冗談じゃない。
もうあいつらには関わらないぞ、俺は。


 「それは、無理な話だと思うわ。」

 「何故だ。」

 「あそこ。」


ヒルダが指す方向に、さっき助けた隊員達が茂みや木に隠れている。


 「つけていたのか。」

 「どうする?」


どうするも何も。
無視すれば良いんじゃないか?


ヒルダとのデートを続けようと立ち上がる。


 「「「はーっはっはっはっは!」」」

 「俺たちが、あれしきで消えると思ったか、リバース戦隊!」

 「さっきのは、フェイクよ!油断させる為のね。」

 「そうでやんす。」

 「さあ、いけ!俺たちの僕たちよ。」


だが、逃げたはずの漆黒の翼が戻ってきていた。
Zが書かれたカードを叩きつけて、またバイラスを登場させる。
どうして、周りは俺を放ってくれない!


 「逃げるぞ、ヒルダ。」

 「バイラスはどうするのよ?」

 「あいつらに任せておけば良い。」


とは言ったものの、肝心のやつらは隠れたまま出てこない。
何か期待したような目で見ていた。


 「行けってことみたいね。」

 「断る。」

 「放っておくの、人を襲ってるのを。」

 「・・・助けられれば良いんだろ。」

 「でも、変身しないと武器が無いわ。」


痛いところを突かれる。
変身、するのか。


諦めて、シルバー色の手袋を手にはめる。
そして、嫌々変身すると、バイラスを一掃した。
あとは煩い漆黒の翼を氷付けにするだけだ。


 「すっごーい。シルバー、本当にピンチな時にやってきてくれるネ。」

 「さすが、ヒーローだなあ。ま、俺には負けるけど!」

 「明らかにティトレイさんより勝ってると思いますけど・・・」

 「どこがだよ?」

 「・・・色々、です」

 「あはは、誤魔化されちゃったね、ティトレイ!」

 「うっせー!」


・・・止めた。
後始末は、こいつ等に任せよう。


 「おい。」

 「は、はい!?」

 「あとは、お前達でやれ。」

 「あれ、僕たちの正体バレバレ?」

 「んだよー、最後までやってくれてもいいのに。」

 「最後を締めるのは、主役の務めだろう。」


緑の男をたしなめる為に言ってみる。
意外と、効果があったらしい。


 「確かに、そうだな。よっしゃ!あとは、俺に任せろ!」

 「ちょっと!主役は僕でしょう!」

 「とにかく、片付けるぞ!」


ずっと喋る間も与えられてなかった黒い男の掛け声で、やっと変身してくれる。
その隙に俺はヒルダと逃げた。
金髪の男に一瞬睨まれたが、多分、面倒事を押し付けられて嫌だったのかもしれない。
ここから離れることに集中しすぎていて、あまり注意していなかったが。


 「これで逃げれたと思ってるのかしら、ヴェイグは。」









 「やっほー、ヴェイグ!僕は、マオ。よろしくネ!」


マオと名乗った子供が、ヒルダの家にいる。
それだけじゃない。
他の隊員達も揃っていた。


 「出て行け。」


脅してみても、誰も出て行かない。


 「悪いわね、ヴェイグ。あんたに会わせろ、会わせろって煩かったのよ。」


家の中を探したら、有名な酒でも出てくるんじゃないか。
多分、そうだと思う。


 「まさか、こんな身近に仲間がいたとはなー!」

 「ホント、びっくりだよネー。」

 「俺はまだ仲間になるとは言ってないぞ。」

 「でしたら、こちらも手段を選びませんよ?」


少女が笑ってるのは、何故か。
それは、すぐに分かった。


 「仕事場が一緒なら、いつでも一緒にいられるわよね。」











こうして、シルバーが無事に仲間入りしましたとさ☆






 −あとがき−
結局、ヒルダに弱いヴェイグだんだよ、と。
しかし、ユージーン・・・すっかり3話目にして影が薄く・・・
<2007.08.23>

ブラウザでお戻り下さいませ☆