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急に和仁さんの態度が変わった。
何でか和仁さんの傍に寄ろうとすると、吐き気がするようになった。
呪詛をしていた時と同じ気持ち悪さなのは、気のせい?
・・・気のせいじゃないかもしれない。
3.偽りの愛しか知らない子供
私を突き放して帰ってから、あの人は公園に来なくなった。
時朝さんに連絡をしようにも、全く接触ができない。
一度、和仁さんの大学に寄ってみたことがある。
運良く和仁さんに会う事はできた。
だけど、彼が私の顔を見た瞬間に帰っていったのは何でだろう。
彼に何が起こったのか未だに分からない。
不安を取り除く為にも、再び大学へ足を運んでみた。
「和仁さん、こんにちは。」
いつもの笑みを崩さないように、心がけながら声をかける。
今までの和仁さんなら、嫌な顔をしても拒否はしてこなかったよね。
でも、駄目だった。彼の目には光が見えない。
存在するすべての物を拒絶している目をしてる。
「・・・何故、貴様が此処にいる?」
「和仁さんに会いに来たんだよ。それ以外に何かあると思う?」
「龍神の神子になど用はない。失せろ。」
『龍神の神子』?
耳を疑ってもおかしくない。
だって、ここは私の世界。
京の世界にいない限り、その呼び名は出てこないはず。
何で貴方はその言葉を知ってるの?
「待て。貴様に聞きたいことがある。」
とりあえず、帰ろうとした私に和仁さんがとめた。
期待してしまう気持ちは止められようが無い。
私の笑顔を怪訝に思いながらも、和仁さんは質問をしてきた。
「ここはお前の世界だな。」
「うん。私の世界だよ。」
「ならば、他の・・・京の人間は、この世界には何処を探してもいないのか。」
孤独感を秘めた目。
彼は誰を求めているんだろう。
・・・彼はどこまでを覚えているんだろう。
「誰か傍にいて欲しい人でもいるの?」
私じゃ支えにはならないかな。
その人の変わりにでもいい。
それで貴方が寂しさを感じないなら何でもするよ。
「関係ないだろう。」
迎えに来ている時朝さんへと歩いていく途中、何かを呟いたのを私は見逃さなかった。
私が聞き間違えてなければ、だけど。
あの人のことをまだ信じているのかな。
あの人がいなければ、貴方は苦しまなくてもよかったのに。
あの人でなければ駄目なの?
自分の為に貴方を使った人なんだよ。
貴方の為じゃなくて、自分の為に。
その為だけに貴方に愛情をそそいで。
そんな偽りの愛なんて、忘れて欲しい。
そんな偽りの愛でも求めている貴方を救いたい。
これは私のわがままかな。
それでも、いい。
私を愛してくれなくても、いい。
和仁さんには本当の愛を知って欲しい。
本当の・・・幸せをつかんでほしい。
だから、あの人の名前なんて言わないで。
『叔母上』なんて・・・
―あとがき―
出来事は薄いです。ペラペラです。
あっはっは。(笑うしかない)
<2005.05.22>
ぶらうざばっく、プリーズ